Dockerとは?メリット・デメリットや使い方をわかりやすく解説
目次
- Dockerの将来性
- そもそもDockerとは
- Dockerの特徴
- Dockerでできること
- Dockerのメリット
- アプリケーションの動作が高速
- 共有が簡単にできる
- 環境構築がしやすい
- Dockerのデメリット
- 学習コストが高い
- 非対応のOSでは起動できない
- Dockerの使い方
- 1. Dockerのインストール
- 2. Dockerイメージの取得
- 3.コンテナの作成と実行
- 4.コンテナの操作と管理
- 5. Dockerfileの作成
- 6.コンテナの実行
- 7. プロジェクトのディレクトリ作成
- 8.Dockerfileの作成
- 9.Dockerイメージのビルド
- 10.コンテナの実行
- 11.アプリケーションの確認
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「Dockerに将来性はあるのかな?」
「Dockerにはどんなメリットがあるの?」
「使い方やできることも知りたい」
今回は、上記のようなお悩みにお答えしていきます。Dockerは、効率的な開発とデプロイを支えるツールであり、アプリケーションの高速な動作や環境構築など、多くのベネフィットをもたらします。
転職を考えている方の中にも、「Dockerのスキルを身につけたい」と考える人は一定いると思います。そこで、この記事ではDockerのメリット・デメリットをはじめ、将来性や使い方などを徹底的に解説していきます。
Dockerの将来性
Dockerは、現代のアプリケーション開発と運用において不可欠な存在です。需要は年々増加し、従来の開発方法では対応しきれない多様な要求に応えるように活用され続けています。コンテナ化されたアプリケーションは、高速な展開とスケーラビリティを実現し、迅速な修正とアップデートが可能です。
また、急速な需要増に伴い、Dockerに対する市場価値も急上昇しています。企業は、効率的な開発プロセスとリソースの最適利用を求め、Docker導入によるコスト削減と競争力向上を狙っているのです。さらにクラウドコンピューティングとの相性の良さから、Dockerの普及が加速すると見込まれています。
IT業界のプロフェッショナルとして、今からでもDockerの知識とスキルを習得すれば、将来に向けてキャリアを考える中でも大きなリターンをもたらすでしょう。
そもそもDockerとは
Dockerは、アプリケーションの実行環境を仮想的に構築するためのソフトウェアです。従来の仮想化技術とは異なり、より軽量かつ効率的な方法でアプリケーションをカプセル化します。これにより、アプリケーションとその依存関係を一つのコンテナにまとめ、異なる環境で一貫性のある動作を実現します。
大きな特徴は、コンテナを使った環境の構築が迅速である点です。アプリケーションと必要なライブラリ、設定をコンテナとしてまとめることで、開発から本番環境までの移行が簡単に行えます。また、コンテナは軽量で、ホストOSとリソースを共有するため、効率的にリソースを利用が可能です。
これにより、開発者は煩雑な環境構築に時間を費やすことなく、アプリケーションの開発とテストに集中できます。
ここからは、Dockerの特徴について詳しく見ていきましょう。
Dockerの特徴
ここでは、Dockerが持つ特徴を紹介していきます。
- 環境の一貫性と再現性: Dockerコンテナはアプリケーションとその実行環境をまとめたものであり、異なる環境でも一貫した動作を保証します。開発からテスト、本番まで、同一のコンテナを使うことで、バグや互換性の問題を最小限に抑えます。
- 軽量かつ高速な起動: コンテナは仮想マシンよりも軽量で、素早く起動できます。開発者はコンテナ内でアプリケーションの挙動をテストし、スピーディなデバッグが可能です。
- 共有と配布の容易さ: コンテナは環境ごとの差異を吸収するため、アプリケーションを他の開発者やチームと共有する際の障壁を取り払います。Dockerイメージを使ってアプリケーションとその依存関係をまとめ、他の環境でも同じように動かせます。
- 環境構築の簡素化: Dockerイメージに必要な設定やライブラリが含まれており、新しい環境への移行や再現が簡単です。開発者は新しいプロジェクトにおいても効率的に作業を進められます。
Dockerは、アプリケーション開発とデプロイのスピードを向上させるうえで重要なポイントです。コンテナ化による効率的な運用が、現代のアプリケーション開発において不可欠な要素となります。
Dockerでできること
Dockerは多様な場面で活用され、開発・テスト・デプロイの全フェーズにおいて価値を提供します。
Dockerが主に使用される場面について、下表にまとめてみました。
使用場面 | 具体的な利点 |
ローカル開発環境 | 開発者はコンテナ内でアプリケーションを動作させ、環境の違いを気にせずに開発できます。 |
テスト環境 | 一貫性のある環境を提供し、テストの信頼性を向上させます。 |
CI/CDパイプライン | コンテナを利用した自動化されたビルド、テスト、デプロイプロセスが可能です。 |
スケーラビリティ | 柔軟なスケーラビリティを提供し、需要に合わせてリソースを調整できます。 |
マイクロサービスアーキテクチャ | 疎結合なマイクロサービスを効果的にデプロイできます。 |
パフォーマンス最適化 | コンテナは軽量で高速に動作し、アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。 |
Dockerはこれらの場面で、開発者と運用チームに新しい能力をもたらします。環境の一貫性、スピーディな開発サイクル、柔軟なスケーラビリティ、高いパフォーマンスなど、Dockerの特長を通じて、アプリケーション開発と運用の革新が実現されるのです。
Dockerのメリット
Dockerのメリットは以下の通りです。
- アプリケーションの動作が高速
- 共有が簡単にできる
- 環境構築がしやすい
それぞれ見ていきましょう。
アプリケーションの動作が高速
Dockerを使用すれば、アプリケーションの動作が高速化されます。これは、コンテナが軽量で効率的に動作するためです。
Dockerコンテナは仮想化よりも軽量であり、ホストOSとリソースを共有する仕組みを持っています。そのため、アプリケーションの起動が迅速で、リソースの浪費が少ないことがメリットです。
また、コンテナはアプリケーションと必要なライブラリをまとめているため、余分な処理が減り、処理速度が向上します。この高速な動作により、開発者は素早く変更をテストし、デバッグを行えます。スピーディな開発サイクルは、新しい機能の追加やバグの修正を迅速に行うための重要な要素となります。
さらに、高速な動作はユーザーエクスペリエンスを向上させ、アプリケーションのパフォーマンスを向上させる効果も見込めるのです。
開発効率やユーザーエクスペリエンスの向上に寄与し、ビジネス競争力を強化する助けとなります。
共有が簡単にできる
Dockerを使えば共有が簡単にできるようになります。コンテナがアプリケーションとその依存関係を一つの単位でまとめるためです。
従来、アプリケーションを異なる環境で共有する際に、環境設定やライブラリのインストールなどが課題でした。しかし、Dockerコンテナは環境の一貫性を保つため、開発者がローカルで作成したコンテナを他の環境に持ち込むのが簡単になります。アプリケーションとその依存関係をコンテナに閉じ込めれば、共有時のトラブルを最小限に抑えられます。
共有のしやすさにより、開発チーム内での協力や、異なるチーム間での連携が円滑に行えます。新しい環境でアプリケーションを実行する際の手間やヒューマンエラーも減少可能です。さらに、コンテナはクラウド環境でもシームレスに動作し、外部の利害関係者との共有がスムーズに行えます。
このように、Dockerによる共有の使いやすさは、開発者やチームの効率向上につながります。協力や連携が円滑に行われ、アプリケーションの開発・運用プロセスが効果的に進むと共に、アプリケーションの品質と信頼性を向上させる効果も見込まれます。
環境構築がしやすい
また、Dockerは環境構築がしやすいことも魅力です。アプリケーションが必要とする設定やライブラリ、依存関係などをまとめてコンテナに封じ込めることで、新しい環境への展開がスムーズに行えます。
従来の環境構築では、必要なソフトウェアやライブラリのインストール、設定などに手間と時間を要しました。しかし、Dockerコンテナはそのアプリケーションの実行に必要なものをすべて備えており、環境構築にかかる手間やリスクを最小限に抑えます。これにより、新しい環境への移行やスケールアップが迅速に行えるのです。
この環境構築のしやすさは、開発者が新しいプロジェクトを始める際や、新しい環境でアプリケーションを実行する際に大きなメリットと言えるでしょう。既存のコンテナを使用すれば、開発者はゼロから環境を再現する手間なく、時間を効果的に活用できます。また、新しいチームメンバーがプロジェクトに参加する際も、コンテナを利用して環境を構築すれば、スムーズなプロジェクトへの参加が可能です。
このように、Dockerによる環境構築のしやすさは、開発プロセスの効率化と素早いプロジェクトの開始・拡張が可能となるため、開発者やプロジェクトチームにとって大きな価値をもたらしていきます。
Dockerのデメリット
一方で、Dockerには考慮すべきデメリットも存在します。
- 学習コストが高い
- 非対応のOSでは起動できない
一部のユーザーにとっての課題や制約ではあるものの、全体的なビジネス上の利益や開発プロセスの向上と比較しても考えさせられるものとなります。デメリットを適切に管理し、Dockerのメリットを最大限に活かすことが重要なのです。
学習コストが高い
まず、Dockerの学習コストの高さが挙げられます。学習コストが増加すると、開発者やチームの生産性に影響を及ぼす可能性があります。
初めてDockerを使用する開発者やシステム管理者であれば、新しいコンセプトや技術の理解に時間と努力を要するでしょう。Dockerのコンセプトやコマンド、設定方法などについて理解するには時間がかかり、適切なトレーニングや学習リソースが必要です。特に従来の仮想化技術に慣れている人にとって、コンテナ化の新しいアプローチを理解するのは難しいかもしれません。
対応策としては、以下の点に注意することが挙げられます。
- トレーニングと教育: チーム全体にDockerのトレーニングや教育プログラムを提供すれば、学習コストを軽減できます。オンラインコースやドキュメンテーション、チュートリアルを活用して、メンバーが必要な知識を効果的に身につけていきましょう。
- ベストプラクティスの共有: Dockerのエキスパートからのベストプラクティスやヒントを共有すれば、学習コストを削減できます。他のプロジェクトでの成功事例や失敗からの学びを活用し、効率的な学習を促進可能です。
- 学習の段階的導入: プロジェクト内でのDockerの段階的な導入を検討すれば、チームメンバーが徐々に慣れていく時間を確保できます。小さなプロジェクトや一部のアプリケーションから始め、徐々に導入範囲を拡大していく方法も効果的です。
学習コストが高いというデメリットを軽減するためには、チーム全体でのサポートと協力が不可欠です。適切なリソースと戦略的なアプローチを活用して、Dockerの学習コストを最小限に抑えつつ、その利点を最大限に活かすことが重要でしょう。
非対応のOSでは起動できない
Dockerは、ホストOSとのカーネルの共有を基盤としています。そのため、特定のOSやカーネルがサポートされていない場合、Dockerコンテナは正しく動作しない可能性があるのです。これが非対応のOSでは起動できないという意味につながります。
ではなぜデメリットになるのかと言えば、アプリケーションの開発や運用において、特定のプラットフォームに依存することは避けるべきだからです。特に大規模なプロジェクトや多様な環境での展開を考えると、異なるOSで動作するのは必要な要素です。非対応のOSでは、アプリケーションのコンテナ化が制限され、開発者や運用チームにとって選択肢が狭まることになります。
対応策としては、以下の点に注意することが挙げられます。
- クロスプラットフォームのテスト: プロジェクトの初期段階から、異なるOSや環境でのテストを行うのが重要です。アプリケーションがどの環境でも正しく動作するのを確認し、問題が発生する前に対処します。
- マルチプラットフォームのサポート: Dockerのクロスプラットフォームサポートが進化しています。正しく設定された場合、コンテナを異なるOS上で動作させられます。Docker Composeなどのツールを利用して、マルチプラットフォーム環境を実現しましょう。
- アプリケーションの設計と依存関係: 非対応のOSに依存するライブラリや機能を使用するのを避け、アプリケーションの設計においてプラットフォーム非依存性を考慮します。アプリケーションがコンテナ内で完結するように設計するのも必要です。
非対応のOSによる制約を克服するためには、クロスプラットフォームのテストと設計の工夫が求められます。これにより、Dockerを使用する際のプラットフォームの柔軟性と互換性を高められるのです。
Dockerの使い方
Dockerを活用するためのステップを、わかりやすくご紹介します。以下の手順に従って、Dockerを導入し、アプリケーションをコンテナ化してみましょう。
- Dockerのインストール
- Dockerイメージの取得
- コンテナの作成と実行
- コンテナの操作と管理
- Dockerfileの作成
- コンテナの実行
- プロジェクトのディレクトリ作成
- Dockerfileの作成
- Dockerイメージのビルド
- コンテナの実行
- アプリケーションの確認
1. Dockerのインストール
まず、自分のオペレーティングシステムに適したDockerのバージョンを公式ウェブサイトからダウンロードします。インストール手順は、各OSに合わせて案内されています。以下のリンクからダウンロードページにアクセスして、指示に従ってインストールを行いましょう。
>>Docker 公式ダウンロードページ
2. Dockerイメージの取得
Dockerイメージは、アプリケーションやサービスを実行するためのテンプレートです。公式のDocker Hubから、用途に合ったイメージを検索して取得します。コンソールやターミナルで以下のコマンドを使用し、イメージを取得します。
docker pull <イメージ名>
3.コンテナの作成と実行
取得したイメージを元に、コンテナを作成し実行します。以下のコマンドを使用して、コンテナを作成・実行します。
docker run -d –name <コンテナ名> <イメージ名>
ここで、<コンテナ名>には任意の名前を、<イメージ名>には先ほど取得したイメージの名前を入力します。
4.コンテナの操作と管理
コンテナが実行中であれば、さまざまな操作が可能です。例えば、停止や再開、ログの表示などが行えます。
以下のコマンドを使い、必要な操作を行いましょう。
- コンテナの停止: docker stop <コンテナ名>
- コンテナの再開: docker start <コンテナ名>
- コンテナのログ表示: docker logs <コンテナ名>
これにより、簡単な手順でDockerを利用し、アプリケーションをコンテナ内で実行可能になります。具体的な作業手順は上記の通りですが、公式ドキュメントやチュートリアルも併せて参考にするとより理解が深まるでしょう。
5. Dockerfileの作成
Dockerコンテナを構築するためには、Dockerfileと呼ばれるテキストファイルを作成します。このファイルにはアプリケーションのビルド手順や実行環境の指定が含まれます。下記はシンプルなDockerfileの例です
# ベースイメージを指定FROM python:3.9 # 作業ディレクトリを設定WORKDIR /app # 必要なファイルをコピーCOPY requirements.txt . # パッケージのインストールRUN pip install –no-cache-dir -r requirements.txt # アプリケーションをコピーCOPY . . # ポート指定EXPOSE 80 # アプリケーションの実行CMD [ “python”, “app.py” ]ステップ 2: Dockerイメージのビルド |
作成したDockerfileを元に、Dockerイメージをビルドします。ターミナルでプロジェクトのディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します
docker build -t my-app .
-tオプションはイメージに名前を付けるためのものです。my-appの部分は任意の名前に置き換えてください。
6.コンテナの実行
イメージのビルドが完了したら、それを元にコンテナを実行します。以下のコマンドを実行して、アプリケーションをコンテナ内で実行してください。
docker run -d -p 8080:80 my-app
-pオプションはホストとコンテナのポートをマッピングするためのものです。ここではホストの8080ポートをコンテナの80ポートにマッピングしています。
これにより、アプリケーションはDockerコンテナ内で実行され、ホストマシンからアクセスできるようになります。この手順を踏むことで、簡単にアプリケーションのコンテナ化が行えます。具体的なステップを確認しながら進めてみてください。
7. プロジェクトのディレクトリ作成
最初に、アプリケーションのコードやファイルを含むプロジェクトのディレクトリを作成します。このディレクトリ内でDockerコンテナを構築します。
8.Dockerfileの作成
Dockerコンテナを構築するために、Dockerfileを作成します。このファイルにはアプリケーションの実行に必要なステップが含まれます。
例えば、必要なパッケージのインストールや設定ファイルのコピーを行います。
9.Dockerイメージのビルド
作成したDockerfileを使って、Dockerイメージをビルドします。これはアプリケーションを実行するための実行環境と設定を含むイメージです。ターミナルでプロジェクトのディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。
docker build -t my-app .
10.コンテナの実行
Dockerイメージがビルドされたら、それを使ってコンテナを実行します。以下のコマンドを実行して、アプリケーションをコンテナ内で実行してください。
docker run -d -p 8080:80 my-app
11.アプリケーションの確認
コンテナが実行されているかを確認し、アプリケーションが正しく動作しているかを確認します。ウェブアプリケーションの場合は、ブラウザで http://localhost:8080 にアクセスしてみてください。
これらのステップを順に進めれば、Dockerを使用してアプリケーションをコンテナ内で実行できるようになります。手順ごとに確認しながら作業してみてください。
また、Dockerの公式ドキュメントやチュートリアルも併せて参考にすると理解が深まるでしょう。
エンジニアの仕事を探すならシーカーズポートに相談!
Dockerは、効率的な開発とデプロイを実現する際に強力なツールとなります。アプリケーションの高速な動作、簡単な共有、スムーズな環境構築など、多くのメリットを提供します。一方で、学習コストやOS依存性に注意が必要です。IT・ゲーム業界での経験者の皆さんにとって、Dockerは競合に勝る競争力を持つ一翼を担うことでしょう。しっかりとした学習と活用により、より効率的な開発環境を手に入れてみましょう。
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