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残業時間の上限規制とは?超えたらどうなる?内容や罰則を解説

目次

「残業時間の上限が気になる」

「上限規制違反になるケースを知っておきたい」

「残業時間の上限を超えているときの対処法も学んでおきたい」

今回は、上記のような疑問にお答えしていきます。

近年、残業時間の上限規制に関する問題が話題になっています。長時間労働によるストレスや健康への影響などに不安を抱いている労働者も多く、ワークライフバランスの悪化は深刻な課題になっていると言えるでしょう。

この記事では、残業時間の上限規制を強化する目的や上限規制違反になるケース、上限を超えているときの対処法など、残業時間に対する問題について解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

残業時間の上限規制とは

労働時間の制約の一つである残業時間の上限規制は、労働者の働き方改革を促進するために設けられた規定です。通常、原則として1ヶ月における残業時間を45時間、年間の残業時間を360時間と定めています。これらの上限を超える残業は、労働者の負担や健康への影響を軽減するために抑制されるべきとして、働き方改革が注目されています。

残業時間の上限規制は、厚生労働省によって労働基準法の一環として定められました。この規制は、労働者のワークライフバランスの改善や労働環境の改革を目指し、労働者の権利保護と働き方の多様性を重視しています。

対象者は、労働基準法に基づき労働契約を結んでいるすべての労働者です。業種や雇用形態に関係なく、労働者の権利と福利厚生を守るために適用されているのです。

詳細な規制の内容や適用条件については、厚生労働省の公式サイトで確認できます。労働者の皆さんが健康的で充実した働き方を実現するために、残業時間の上限規制が適切に運用されることを知っておきましょう。

36協定とは

36協定は、労働者の労働時間を柔軟に調整するための合意制度です。労働者と労働組合、または労働者と雇用者が合意し、労働基準監督署への届け出を行うことで適用されます。目的は、労働者の意思を尊重しながら働き方を改善し、働く人々の生活と仕事の両立を実現させることです。

また、労働者が1ヶ月に80時間を超える労働を行う場合に適用されます。この合意により、労働時間の上限を超える残業が必要な場合でも、労働者の意思に基づき、柔軟に労働時間を調整できます。

なお、適用職種にはさまざまな業種が含まれますが、一部の職種は適用されない場合があります。以下に36協定の適用外となる主な職種を示します。

職種説明
医療従事者医師や看護師など、医療に従事する職種
航空業務職パイロットや客室乗務員など、航空業務に従事する職種
警察職警察官や交番勤務員など、警察業務に従事する職種
消防職消防士や救急救命士など、消防業務に従事する職種
鉄道業務職運転士や車掌など、鉄道業務に従事する職種
船舶業務職船舶乗組員や船舶操縦士など、船舶業務に従事する職種
農林漁業職農業や林業、漁業に従事する職種

参考: 厚生労働省|時間外労働の上限規制わかりやすい解説

上記の表は一部の例であり、具体的な職種の適用状況は労働基準監督署や労働組合との相談が必要です。職種ごとに独自の労働時間の制約や合意制度が存在するケースも考えられるので、詳細な情報や具体的な適用条件については、厚生労働省の公式サイトをご参照ください。

残業時間の上限規制を強化する目的

残業時間の上限規制を強化する目的は、大きく分けて2つです。

  • ワークライフバランスの改善
  • 労働参加率の向上

それぞれ見ていきましょう。

ワークライフバランスの改善

ワークライフバランスを改善するには、労働者が仕事とプライベートを健全に調和させるための取り組みが必要です。労働時間や労働条件の見直し、柔軟な働き方制度の導入など、労働者が充実した生活を送りながら、仕事にも集中できる状態を目指します。

では、ワークライフバランスを改善するために、なぜ残業時間の上限規制を強化することが必要なのでしょうか。まず、長時間労働や過度な残業は、肉体的・精神的な疲労を引き起こし、ストレスや心身の健康障害をもたらす可能性が考えられます。また、労働時間が長すぎることで、家族や友人と過ごす時間が取れずに関係性が悪くなってしまうかもしれません。

働き方が多様化している現代社会において、ワークライフバランスの整った労働環境は魅力的でしょう。優秀な人材を確保しやすくなるだけでなく、人材が定着することで結果的に生産性の向上も見込めます。

労働参加率の向上

残業時間の上限規制を強化することで、労働参加率の向上も期待できます。労働参加率が向上した状態とは、より多くの人々が労働市場に参加し、有意義な働き方を実現している状態を指します。

残業時間の上限が規制されると、労働者は適切な労働時間内で仕事を終えられるので、趣味を楽しんだり家族と過ごしたりとプライベートな時間を確保できるでしょう。その結果、労働者の意欲やモチベーションを高められます。

また、適切な条件で働ける環境が整備されることで生産性も向上し、企業や業界全体の成果につながると同時に、労働市場全体の活性化にも貢献できます。

残業時間の上限を超えたらどうなる?

残業時間の上限を超える場合や36協定を締結せずに残業をさせる場合には、労働基準法に基づき罰則が課されます。罰則の内容は以下の通りです。

  • 労働基準法違反による適用金の支払い:36協定を締結せずに労働者に残業をさせた場合や、定めた時間を超えて残業をさせた場合には、適用金が課されます。額は、労働時間の違反の程度に応じて異なります。
  • 労働基準監督署の監視対象となる:違反が発覚した場合、労働基準監督署の監視対象となります。違反の是正や罰則の適用などを行い、労働者の権利を保護します。
  • 労働条件改善命令の発令:違反が重大な場合や再犯があった場合、労働基準監督署は労働条件改善命令を発令することも。違反の是正や改善措置の実施が含まれ、従わない場合には追加の罰則が課されるかもしれません。

労働基準監督署の監視対象となることや労働条件改善命令の発令により、企業は違法な労働環境を是正する必要があります。労働者の健康と権利を守るため、適切な労働時間の管理と法令遵守が求められているのです。

残業時間の上限規制違反になるケース

例外はあるものの、残業時間の上限規制違反になる一般的なケースを3つ紹介します。

  • 月45時間以上の残業が年間7回を超えたとき
  • 単月の残業時間が100時間以上を超えたとき
  • 2〜6ヶ月間の残業時間の平均が80時間を超えたとき

それぞれ順に見ていきましょう。

月45時間以上の残業が年間7回を超えたとき

月に45時間以上の残業が年間7回を超えた場合は、労働基準法の違反となります。

労働基準法では、1ヶ月における通常の労働時間に加えて、45時間を超える残業時間がある場合を「時間外労働」と定義しています。月に45時間以上の残業が年間7回以上ある場合、この基準を超えるため、違反とみなされるのです。

労働基準法に違反すると、労働基準監督署からの是正指導や監視対象となる恐れがあります。さらに、再犯があった場合は、労働条件改善命令や適用金の支払いなどの罰則が課せられるでしょう。労働者の健康と労働環境の保護のためにも、長時間労働の防止と適切な労働時間の管理が求められています。

単月の残業時間が100時間以上を超えたとき

単月の残業時間が100時間以上に達する場合も、労働時間の規制を超えて違反とみなされます。この規制の目的は、労働者の健康と安全を保護し、過労によるリスクを防止することです。

単月の残業時間が100時間以上になると、長時間労働の可能性が高くなります。長時間労働によって肉体的・精神的な疲労が蓄積されると健康問題や労働災害のリスクが増えるため、労働基準法では残業時間を適正な範囲内に抑えるよう求めているのです。

労働者と企業は労働時間の遵守に努めると共に、労働条件の改善や効率化に取り組むことで、長時間労働を防止し健全な労働環境を実現する必要があります。

2〜6ヶ月間の残業時間の平均が80時間を超えたとき

労働基準法によれば、2〜6ヶ月間の残業時間の平均が80時間を超える場合、労働時間の規制に違反するとされています。

この基準を判断するためには、対象となる期間内の残業時間を合計し、その期間の月数で平均を算出します。もし残業時間の平均が80時間を超えていた場合、労働基準法による規制を超えるため、違反とみなされるのです。

長期間にわたって過剰な残業が続くと、労働者の健康やワークライフバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。労働者の健康維持とワークライフバランスの均衡を保つためにも、適切な労働時間の管理と労働環境の改善が求められているのです。

残業時間の上限を超えているときの対処法

自分の残業時間が上限を超えている場合、以下の対処法が考えられます。

  • 就業規則を確認する
  • 上司に相談する
  • 労働基準監督所に相談する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

就業規則を確認する

まずは、自分の勤め先の就業規則を確認しましょう。就業規則には、労働時間の制限や残業に関する規定が明記されています。自分の労働時間の上限や残業した際の手続きに関して、正しく理解しておきましょう。

就業規則とは、労働者と雇用主の間のルールを定めたものです。自分の残業時間が上限を超えている場合、規則に基づいて適切な手続きを取ることを求められます。自分が本来持っている就業上の権利や福利厚生制度、休暇の取得条件なども規則に記載されているため、損をしないためにも必ず確認するようにしてください。

上司に相談

残業時間について、上司に相談することも有効な手段の一つでしょう。例えば業務過多が残業の多い要因なのであれば、自身の業務量を調整してもらう、サポートの人員を充ててもらうなどの手を打ってもらえるかもしれません。

上司に相談する際は、具体的にどんなことに悩んでいるのか、相談することを事前に整理しておきましょう。具体的な改善策を提案してもらうためにも、上司に突然声をかけるのではなく、話し合いの場や時間を設けてもらえるように取り計らうと良いです。

改善しない場合は労働基準監督所に相談

社内を頼っても問題が解決しない場合、労働基準監督所へ相談することも有効です。労働基準監督所とは、労働環境の改善や労働基準法の遵守を監督する機関です。改善が見込めない労働環境の問題や、そもそもの労働条件に違反が発覚した場合、労働基準監督所に相談しましょう。

労働基準監督所へ相談するには、電話やインターネットを通じて問い合わせます。相談の際には、自身の状況や問題点を具体的に説明し、必要な情報を提供しましょう。

IT業界への転職相談はシーカーズポートへ!

今回は、残業時間の上限規制について解説してきました。近年、働き方改革の一環として残業時間の上限規制は強化されていますが、業種や職場環境によっては改善が難しいケースもあるでしょう。現状の労働環境に不満がある場合、転職を検討するのも一つの手です。

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