DTPオペレーターが「やめとけ」と言われる理由は?向いている人の特徴を解説
目次
- DTPオペレーターが「やめとけ」と言われる3つの理由
- 印刷業界が衰退産業である
- 単価が安い
- 残業が多くなりがち
- DTPオペレーターのやりがい
- DTPオペレーターがいないと成り立たない業務がある
- 技術的なスキルを向上できる
- 自分が携わった作品が世に出る
- DTPオペレーターに向いている人の5つの特徴
- 細かい作業が好きな人
- ルーチンワークを好む人
- コミュニケーションがなくても平気な人
- オンとオフの切り替えがうまい人
- デザイン職に興味がある人
- DTPオペレーターからのキャリアアップも可能!
- WEBデザイナー
- グラフィックデザイナー
- ディレクター
- DTPオペレーターへの転職相談はシーカーズポートへ!
「DTPオペレーターになりたいと思っているが、自分に向いているのかわからない」
「DTPオペレーターは将来性がないと聞いて迷っている」
「技術が難しそうで未経験からのスタートが怖い」
このような不安をお持ちの人もいるのではないでしょうか。DTPオペレーターはDTPデザイナーと混同されることも多いため、誤解されていることも少なくありません。
DTPオペレーターはデザイナーが作成したデザインを使ってコンテンツをレイアウトし、印刷物やデジタルメディアを制作する仕事です。一方、DTPデザイナーはデザインやアートワークを制作します。たしかに、DTPオペレーターの仕事は向き不向きがあるため不安になるでしょう。しかし、DTPオペレーターとしての将来性は、今後ますます需要が高まると言われています。
この記事ではDTPオペレーターは「やめとけ」と言われる理由や向いている人の特徴を解説します。DTPオペレーターを目指している人はぜひ参考にしてください。
最後まで読むことで、DTPオペレーターの魅力を十分に理解できるでしょう。
DTPオペレーターが「やめとけ」と言われる3つの理由
DTPオペレーターの主な仕事は、クライアントから依頼を受けた印刷物のレイアウトです。つまり、クライアントありきの仕事であるため、先方の状況によって納期や発注量に影響を受けやすいのが特徴です。
「やめとけ」と言われる理由の多くは主な取引先である印刷業界が関係している点や、製造業としての一面があることなどが挙げられます。
DTPオペレーターが「やめとけ」と言われる理由は主に3つです。
- 印刷業界が衰退産業である
- 単価が安い
- 残業が多くなりがち
上記の理由を順番に解説します。
印刷業界が衰退産業である
DTPオペレーターは主に印刷業界で活躍していることが多い職業ですが、デジタル技術の進歩や紙媒体の減少により、産業自体の規模が小さくなってきています。
印刷業界の市場規模は2013年に3兆6,000億円でしたが、年々縮小傾向が続いており、2022年は3兆円にまで落ち込みました。また、事業所数もピークだった1990年代から比べると半減しています。
事業所数が大幅に減っている理由は、印刷会社の主な受注先となる出版業界と広告業界がデジタル化やWEB媒体へ変化していることが原因のひとつです。
つまり、市場規模が縮小して企業数が減ることでDTPオペレーターの需要も減るためDTPオペレーターは「やめとけ」と言われています。
参照:株式会社矢野経済研究所「一般印刷市場に関する調査」、一般社団法人日本印刷産業連合会
単価が安い
業界全体が冷え込んでいることから、パート・アルバイトの平均時給や正社員の年収はそれほど高くなく、求人数も年々減ってきているのが現状です。
全国の平均時給は1,288円に対し、DTPオペレーターの平均時給は1,100円となっており全国平均を下回っています。
また、正社員についても、平均年収が354万円と全国平均の443万円を大きく下回っており、給与面では決して魅力的だとは言えません。
この背景には、DTPオペレーターは在宅ワークが可能なため、アウトソーシングしやすいことから正社員を雇う必要がないことが理由として挙げられます。
参照:dip株式会社、求人ボックス、国税庁「民間給与実態調査」
残業が多くなりがち
DTPオペレーターは製造業としての一面もあるため、クライアントからの仕事量に左右されることが多くあります。たとえば、クライアントからの修正依頼が多くなればその分時間を費やします。
また、クリエイターやデザイナーの指示待ちになることも多く、工程の途中でストップすれば納期が厳しくなり、残業が続くなど時間管理が難しいのが特徴です。
特に、新聞や週刊誌などの作業工程が遅れても納期は延長されない印刷物に携わる場合は、深夜残業や休日出勤もありえます。
残業が多くなりがちでワークライフバランスが取りにくいこともDTPオペレーターは「やめとけ」と言われる原因のひとつです。
DTPオペレーターのやりがい
DTPオペレーターはきつい一面もありますが印刷業界には欠かせない職業で、クリエイティブな仕事をしたい人にとっては、とてもやりがいがある仕事です。
代表的なものとしては以下のようなやりがいを感じている人が多くいます。
- DTPオペレーターがいないと成り立たない業務がある
- 技術的なスキルを向上できる
- 自分が携わった作品が世に出る
順番に解説するので、ぜひ参考にしてください。
DTPオペレーターがいないと成り立たない業務がある
DTPは誌面への割り付けを行うため、色味やレイアウトなどはDTPオペレーターがいなければ成り立ちません。たとえば、印刷物のレイアウトはもちろん、文字の選定や配置、色味の調整などで仕上がりが大きく変わります。
したがって、印刷物やデジタルメディアとして完成した際に、美しさや読みやすさなど魅力的な成果物になるかどうかはDTPオペレーターの腕次第と言っても過言ではないでしょう。
DTPオペレーターの貢献がなければ作品を完成させられない業務があるため、とてもやりがいのある仕事と言えます。
技術的なスキルを向上できる
DTPオペレーターは、ほかの業界ではあまり使用することのない「フォトショップ」や「イラストレーター」といったグラフィックソフトや編集ソフトの知識を得られることが大きな財産です。
特殊なソフトのため、自在に使えるようになれば、ほかの業界でも重宝されます。たとえば、ファッション業界やデザイン業界などでは頻繁に使用されており、スキルがあれば活躍できるでしょう。
また、「フォトショップ」や「イラストレーター」を使用した副業案件も多くあるため、副収入を得られます。ゆえに、ソフトの使い方をマスターすれば仕事の幅を広げることが可能です。
自分が携わった作品が世に出る
仕事の成果が形となって残ることも、印刷物に関わる仕事の大きな魅力です。
自分が手がけた出版物が、高い評価を得たり話題になったりすれば、やりがいを感じモチベーションも上がります。特に、苦労して制作した作品が世に出たときは、自分の努力が形になった実感や満足感も大きいでしょう。
このように、DTPオペレーターは、デザインを実際の成果物に仕上げる過程を通じてやりがいを感じる場面が多くあります。
自分の努力が成果に結びつくことで、喜びや満足感が高まるでしょう。
DTPオペレーターに向いている人の5つの特徴
DTPオペレーターは特殊な職種のため、向き不向きが分かれます。これからDTPオペレーターを目指す人は、業務の特性も踏まえた上で、自分に向いているかを判断しましょう。
本章では、向いている人の特徴を紹介するので、自分に当てはまっているかチェックしてみてください。
DTPオペレーターに向いている人の特徴は次の5つです。
- 細かい作業が好きな人
- ルーチンワークを好む人
- コミュニケーションがなくても平気な人
- オンとオフの切り替えがうまい人
- デザイン職に興味がある人
それぞれ順番に解説します。
細かい作業が好きな人
DTPオペレーターは、微妙な色の調整など非常に細かい作業が必要なことが多いです。
ゆえに、ひとりで作業するのが好きで、細かい作業が得意な人は向いています。
ルーチンワークを好む人
手がける作品は異なりますが、誌面への割り付けなどは決まったパターンで作業を行うため、単純作業の繰り返しが多いのもDTPオペレーターの特徴です。
毎日、同じことの繰り返しなので、なかには刺激がなく作業に飽きてしまう人もいます。
同じことを繰り返しても苦にならず、ルーチンワークが好きな人に向いていると言えるでしょう。
コミュニケーションがなくても平気な人
ひとりで黙々と作業しなければならない環境のため、ほかの仕事に比べて人との会話は極端に少ない職種です。
大勢で賑やかな職場環境で仕事をするよりも、ひとりで仕事をすることが好きで、周りとのコミュニケーションがなくても平気な人には向いています。
無駄なコミュニケーションがない分、仕事に集中できる環境なので、途中で話しかけられて気が散るといったことは少ない職種です。
オンとオフの切り替えがうまい人
DTPオペレーターは締切に追われることや何度も修正を依頼されるなど、なにかとストレス要因が多い仕事です。
休みの時も仕事のことが頭から離れないタイプの人は耐えられなくなる可能性があります。プライベートでは仕事のことは一切考えず、メリハリがつけられる人でなければ続けることが難しいでしょう。
オンとオフの切り替えができ、ストレスを上手に発散ができる人の方がDTPオペレーターに向いています。
デザイン職に興味がある人
DTPオペレーターはデザイナーの作品に触れる機会が多く、作品の完成に大きく寄与します。
デザイナーの作品が形になっていく工程は、ほとんどの人が経験できません。これらの工程に直に携われることは、デザインに興味がある人にとって大きな魅力です。
将来デザイナーを目指すつもりなら、ほかの作品を通じて学べることが多いため、DTPスキルを身につけることはプラスになります。
DTPオペレーターからのキャリアアップも可能!
DTPオペレーターからキャリアアップしたい場合は、フォトショップやイラストレーターなどのソフトを使う仕事が一般的です。
ソフトやデザインに関する知識があることから、即戦力として活躍が期待されます。
実際によくあるキャリアアップ例は以下のような職種です。
- WEBデザイナー
- グラフィックデザイナー
- ディレクター
それぞれを解説するのでキャリアの参考にしてください。
WEBデザイナー
WEBデザイナーはWEBサイトのレイアウトを行う仕事です。DTPオペレーターとして紙媒体でレイアウトをした経験がWEB媒体でも活かせます。
紙媒体かWEB媒体の違いだけで、全体のバランスを見ながら配色やレイアウトを決めることや、使用するソフトは同じなので馴染みやすいでしょう。
ただし、WEB媒体は雑誌や新聞などとは異なり、サイト設計や考え方が異なる部分もあるためWEBデザインについて勉強する必要があります。たとえば、紙媒体は静的なのでデザインやコンテンツは固定されていることがほとんどです。
一方、WEB媒体は動的で、ユーザーがスマホで見るのかパソコンで見るのかによってレイアウトを変更する必要があります。
このように、紙媒体とWEB媒体は異なるプラットフォームのため、紙媒体とは異なる新しいスキルや知識の習得が求められることも少なくありません。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは出版物やWEBサイトのデザインを行う仕事です。使用するソフトも同じのため、転身は比較的容易でしょう。
DTPオペレーターよりもクリエイティブな職種なので、自分のセンスを活かしたい人に向いています。
ただし、グラフックデザイナーはDTPオペレーターのように与えられたデザインをもとにレイアウトを行うわけではなく、自らデザインしなければいけません。そのため、デザインのセンスやスキルの習得が必要です。
また、グラフィックデザインは常に進化しているため、新たなデザイントレンドやテクノロジーに敏感でなければいけません。
ディレクター
今後も印刷業界で活躍したい人は、他社へ転職してクリエイターチームを束ねるマネージャー職になることもおすすめです。
ディレクションには10年程度のDTP経験が必要なケースもありますが、印刷業界でキャリアを積んでいきたいと考えている人にとっては管理側に回る選択肢もあります。
DTPオペレーターとしての経験に加えて、マネジメントスキルを身につければ管理する側の立場として他社への転職も有利になるでしょう。
必要なマネジメントスキルにはリーダーシップ、チームマネジメント力、管理能力などが挙げられます。
DTPオペレーターへの転職相談はシーカーズポートへ!
本記事では、DTPオペレーターは「やめとけ」と言われる理由や、仕事のやりがいについて解説してきました。印刷業界が衰退産業であることから、「紙媒体は今後の発展が期待できない」と言われているのは事実です。しかし、WEB媒体との共通点も多く将来的にディレクターやWEBデザインの道へキャリアアップを考えている人にとっては、DTPオペレーターから始めることは有効だといえます。
DTP関連の経験がある人と初心者では、転職の難易度に大きな差が出ます。それゆえ、次のステップのための足がかりとしてDTPオペレーターへ転職するのは「やめとけ」とは言えません。DTPオペレーターへの転職に興味がある人は、シーカーズポートに相談してみましょう。IT業界に特化した転職サービスで、DTPプランナーからのキャリアアップ方法や業界の詳しい内容など、プロのアドバイスが受けられます。
もちろん、DTPオペレーターの仕事も紹介可能なので、まずは相談してみてください。