ITストラテジストの年収は?市場価値やキャリアパスについて解説
目次
- ITストラテジストの平均年収
- ITストラテジストの仕事内容
- ITストラテジストの市場価値
- ITストラテジストに必要な4つのスキル
- IT技術の専門知識
- 経営に関する知識
- 問題解決能力
- ヒューマンスキル
- ITストラテジストのキャリアパス
- IT系のコンサルティングファームへの転職
- システム開発部の責任者・リーダー
- ITコンサルタントとして独立
- ITストラテジスト資格の内容
- ITストラテジスト試験の概要
- ITストラテジスト試験の難易度
- ITストラテジスト資格取得のメリット
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「ITストラテジストの年収はどれくらい?」
「ITストラテジストの資格取得のメリットはある?」
「ITストラテジストに必要なスキルを知りたい!」
ITストラテジストへの転職を考えている人のなかには、上記のような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。ITストラテジストとはITコンサルタントの仕事のひとつです。
この記事ではITストラテジストの年収や仕事内容などについて解説します。ITストラテジストに必要なスキルやキャリアパス、資格取得のメリットについても紹介するので、最後まで読んで転職の参考にしてください。
ITストラテジストの平均年収
ITストラテジストの資格は難関とされており、年収は約650万円です。
システムエンジニア(プログラマーも含む)の平均年収515.9万円や、全職種の平均462.6万円と比べても高くなっています。(※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)
年収が高い理由として、多くの企業が有資格者に対して資格手当を支給していることが挙げられます。中にはITストラテジストの資格を取得した時点で数十万円の報奨金を支給する企業もあり、それだけ市場価値が高いということです。
情報技術者の手当相場は5,000円〜10,000円ですが、ITストラテジストの一般的な手当相場は20,000円で、他のIT系資格保有者と比べても手当が高めとなっています。
さらに、経験や役職が上がるにつれて年収UPが期待できるでしょう。
ITストラテジストの仕事内容
ITストラテジストの主な仕事内容は、次のようなものが代表的です。
- 顧客のITを使った経営戦略にもとづく情報収集と課題の抽出および解決策の提案
- 解決策に基づくシステム開発
- 経営コンサルタントとシステムエンジニアとしての業務
ITストラテジストの仕事はITコンサルタントの仕事のひとつで、顧客のIT戦略に関して課題の整理や分析を行い、解決策を提案します。IT導入による経営戦略のコンサルティングから、具体的な開発案の提案まで幅広く携わることが特徴です。
たとえば、ITコンサルティング業務では、顧客の経営戦略やビジョン、ミッションなどを把握した上で、ITを使ってどのように課題を解決するかを提案します。
IT開発におけるシステムエンジニアとしての仕事内容は、収集した課題に対し問題解決するためのソフトウェア、データベース、ネットワーク構築を総合的に考え、システム導入を提案する業務です。
したがって、ITストラテジストは、システムエンジニアとしての側面もあるIT経営コンサルタントと言ってもよいでしょう。
ITストラテジストの市場価値
ITストラテジストは以下のような市場価値があります。
- 経営戦略と技術戦略を結びつける専門家
- 企業のDX化などで今後の需要が見込まれる
- IT系の中でも上流工程の職種である
ITストラテジストは企業経営上の課題に対し、ITを活用した課題解決法を提案し、提案したシステムの構築や運用を行います。つまり、経営戦略と技術戦略を結びつける専門家です。
IT職種の中でも経営戦略に関わる職種は限られており、今後はAIのようなIT技術を活用した業務効率化の必要性が高まってきています。
そのため、IT戦略の専門家であるITストラテジストは重要な役割を担っており、今後も需要が見込まれている職業です。
このように、ITストラテジストは超上流工程の仕事であるため、IT系の中ではとても市場価値の高い職種となっています。
ITストラテジストに必要な4つのスキル
ITストラテジストとして必要なスキルは以下の4つです。
- IT技術の専門知識
- 経営に関する知識
- 問題解決能力
- ヒューマンスキル
ITストラテジストとして活躍する場合、IT戦略立案のためのリサーチ力や分析力、問題解決力などのコンサルティングに必要な能力が求められます。
さらに、実際にシステム開発にも携わるため、ITに関する専門知識や実務経験も必要です。また、経営者から経営戦略などをヒアリングしなければならないため、コミュニケーション能力や、プレゼンテーション能力も備わっていなければなりません。
順番にそれぞれ解説します。
IT技術の専門知識
ITストラテジストはシステム開発にも携わりますが、自らが開発を行うわけではないため、プログラマーほどのスキルは必要とされないのが一般的です。どちらかというとコンサルティングの要素が強く、企業のITに関する課題の抽出がメインだからです。
しかし、解決方法を提案するためには、課題を解決するために必要なシステムを選択できるだけの専門知識が必要となります。
そのためには、システムを含めたIT技術に対しての幅広い知識が必要とされます。
どうすれば問題解決ができるか、どのようなシステムで企業の経営戦略を実行するかを考え、提案するためにもIT技術に対しての幅広い専門的な知識は必要不可欠です。
経営に関する知識
ITストラテジストはITコンサルタントとして企業の経営に携わるため、企業経営に関する知識は必須です。
単なるIT技術の専門家ではなく、企業経営の視点からIT技術を活用し、企業経営の手助けを行わなければならないため、経営に関する専門知識を高める必要があります。
具体的には以下のような知識が必要です。
- 企業分析
- マーケット分析
- リスク管理
- 戦略経営
- 財務諸表の見かた
経営上の課題をヒアリングして解決するのがITストラテジストの役割なので、経営者と同じレベルでコミュニケーションができる程度の知識は身につけておかなければなりません。
問題解決能力
経営者からのヒアリングによって分析した課題に対して、どのような対処を行い解決するかが重要になるため、時間をかけずに問題を解決する能力は必須です。
ヒアリングによって抽出した課題はもちろん、途中で新たな問題が発生することもあるでしょう。問題解決に時間がかかることで、損失やリスクを増加させないためにも迅速な解決が必要です。
よって、問題解決のスピードも重要となります。
ヒューマンスキル
ITストラテジストは、ヒアリングにより課題を抽出し解決策を提案します。
そのため、コミュニケーション力はもちろん、プレゼンテーション力やシステム開発に関わる人たちのマネジメント力といったヒューマンスキルが必要です。
対象者が経営陣であることも多いため、より高いレベルのヒューマンスキルが求められます。
ITストラテジストのキャリアパス
ITストラテジストは市場価値が高いため、さまざまなキャリアパスを描くことが可能です。有資格者を欲しがっているIT系企業も多く、企業からスカウトされることもあります。
そのため、キャリアアップを目指して資格取得を目指している人が多い傾向です。多くの場合、好条件で転職できるため大幅に収入がUPするケースも少なくありません。
代表的なキャリアパスは以下のようなものがあります。
- IT系のコンサルティングファームへの転職
- システム開発部の責任者
- ITコンサルタントとして独立
ひとつずつ解説します。
IT系のコンサルティングファームへの転職
ITストラテジストの仕事はITコンサルタントのひとつであるため、経験を活かしてIT系のコンサルティングファームへ転職するケースがあります。
すでに経験や実績を積んでいるため、即戦力として活躍が期待できるでしょう。
ITストラテジスとしてのこれまでの経験は、コンサルティングファームにおいてクライアントに付加価値を提供する際に大きな武器となります。
したがって、給与面でも大幅UPが可能です。
システム開発部の責任者・リーダー
転職せず部門の責任者としてキャリアアップする選択肢もあります。
具体的には、 ITストラテジストとしての経験を活かし、開発部門の実務責任者や部下のマネジメント職です。
経営目線で物事を判断できるため、企業側の立場がわかる責任者として重宝されるでしょう。
ただし、自分から望んで上級職に就けることは少ないケースがほとんどです。
そのため、実績作りに加えてリーダーシップやマネジメントのスキルを習得し、アピールすることが重要となります。
ITコンサルタントとして独立
ITストラテジストとしてのこれまでの実績と経験を活かして、ITコンサルタントとして独立も可能です。
会社経営に関する知識が豊富でヒューマンスキルも備わっているため、独立しても力を十分に発揮できるでしょう。
自分で営業先を見つけられるため、場合によっては独立することで会社員時代よりも年収アップが期待できます。
ITストラテジスト資格の内容
解説してきたように、ITストラテジストは将来性があり、年収UPにもつながる資格です。具体的にITストラテジストとはどのような資格なのかを詳しく知りたいという方もいるでしょう。
最後に、ITストラテジストの資格について以下の3つを解説します。
- ITストラテジスト試験の概要
- ITストラテジスト試験の難易度
- ITストラテジスト資格取得のメリット
それぞれ見ていきましょう。
ITストラテジスト試験の概要
ITストラテジスト試験は、2008年に終了した「システムアナリスト試験」と「上級システムアドミニストレター試験」が統合され、2009年に「ITストラテジスト試験」として始まりました。
経営企画や最高情報責任者(CIO)などの幹部候補、ITコンサルといった立場の人を想定した国家資格です。
試験時期 | 4月(年1回) |
受検費用 | 7,500円(税込) |
試験時間 | 午前①9:30~10:20(50分)午前②10:50~11:30(40分)午後①12:30~14:00(90分)午後②14:30~16:30(120分) |
出題形式 | 午前:四肢択一式(マークシート使用)午後:記述式 |
出題数・回答数 | 午前:出題数25問・解答数25問午後:出題数3問・解答数2問 |
合格基準 | 午前①②、午後①ともに60点以上。午後②はA〜DのうちAランクが合格。仮に、午前①の結果が60点未満だった場合、その後の試験は採点されない。 |
合格率 | 15%未満 |
※参考:IPA|ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験の難易度
ITストラテジストの試験は、情報処理技術者試験の中で最高峰の「レベル4」に位置付けされており、合格率は15%程度です。
あらゆる国家資格の中でも超難関の資格試験で、その難易度は国家公務員総合職採用試験など同レベルだとも言われています。
弁護士、公認会計士、医師などと同様に、厚生労働大臣によって「専門的知識等を有する労働者」に指定されており、労働基準法において特例扱いの対象となっている資格です。
つまり、資格保有者しかITストラテジストと名乗ることはできません。
このような理由から、資格を取得した社員に対して褒賞金を支給する企業も多く、中には100万円を支給する企業もあります。
ITストラテジスト資格取得のメリット
ITストラテジスト資格取得のメリットは大きく次の3つです。
- 仕事の幅が広がる
- キャリアアップや転職に有利
- 資格手当で収入UP
ITストラテジストの資格を持っていれば有資格者としての証明になるため、新たな仕事や上流職種に抜擢されることも少なくありません。
有資格者が少ないことから、転職にも有利です。
また、解説したように資格手当が支給されることで年収UPも期待できます。
このように、ITストラテジストの資格は大きなメリットのある資格です。
ITストラテジストの職を探すならシーカーズポートへ!
本記事では、ITストラテジストの年収やキャリアパスについて解説しました。ITストラテジスト資格は、合格率が15%程度と超難関の資格ではありますが、市場価値が高く今後の需要も見込まれているため転職に有利です。転職以外にも上級職として活躍することや独立するなど、仕事の幅も広がります。
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