ITコンサルタントとSIerの違いをわかりやすく解説!転職のポイントも紹介
目次
- ITコンサルタントとSIerの違い
- 目的と役割
- ITコンサルの目的と役割
- SIerの目的と役割
- 業務内容
- ITコンサルの業務内容
- SIerの業務内容
- 求められる人材
- ITコンサルで求められる人材
- SIerで求められる人材
- 必要なスキル
- ITコンサルに必要なスキル
- SIerに必要なスキル
- キャリアパス
- ITコンサルのキャリアパス
- SIerのキャリアパス
- 収入(年収)
- ITコンサルの平均年収
- SIerの平均年収
- 転職難易度
- ITコンサルの転職難易度
- SIerの転職難易度
- SIerからITコンサルタントへ転職するには?
- ITコンサルを目指す志望動機を明確にする
- SEとしての経験やスキルを伝えられるようにまとめる
- 資格やスキルを身につける
- 転職エージェントへ登録する
- ITコンサルタントへの転職に有利な資格
- ITストラテジスト
- ITコーディネーター
- プロジェクトマネージャー
- 中小企業診断士
- ITコンサルタントへの転職はシーカーズポートへ相談を
SIerとして働いている人の中には、今までの経験を活かしてITコンサルタントへの転職を考えている人もいるのではないでしょうか。どちらも、ITシステム導入に関するコンサルティングという点は同じですが、求められる人材やスキルが異なります。
確かにこれまでの経験は活かせますが、転職する前に違いを理解しておくことが必要です。
この記事では、ITコンサルタントに求められる人材や必要スキルを解説します。最後まで読むことでITコンサルタントとSIerの違いが明確になり、ITコンサルタントとしての将来像が描けるでしょう。
転職するためのコツや有利な資格も紹介するので、ITコンサルタントへの転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
ITコンサルタントとSIerの違い
ITコンサルタントとSierは、携わる業務が似ているため混同されがちですが、実際は大きく異なります。
この章では、両者の違いを見ていきましょう。
- 目的と役割
- 業務内容
- 求められる人材
- 必要なスキル
- キャリアパス
- 収入(年収)
- 転職難易度
上記、7つの違いを詳しく解説します。
目的と役割
ITコンサルタントもSIerもクライアント企業に対してITシステム導入を提案する業務である点は似ています。
しかし、目的が異なるためそれぞれの役割を把握しておくことが重要です。わかりやすく説明すると、「業務効率化のためのシステム導入」か「経営課題解決のためのシステム導入」かの違いがあります。
まずは、ITコンサルタントのほうから見ていきましょう。
ITコンサルの目的と役割
ITコンサルタントの目的は、企業が抱えている経営課題をITの利用で解決できないかを提案します。
たとえば、従業員の勤怠管理ができる人材がおらず、外部に委託していることが経費を圧迫しているという課題に対し、システム導入で経費を抑える手法を提案するなどです。つまり、あくまでも企業の課題解決を目的としています。
ITコンサルタントの役割は企業の経営課題を発見し、どのようなITシステムを導入すれば課題を解決できるかを提案し結果を出すことです。
SIerの目的と役割
SIerはクライアントが求めるシステムを構築し、開発から運用・管理まで行います。
たとえば、現在使っている経理システムの使い勝手が悪いため、もっと効率よく業務が行えるシステムに変えたいなどの要望に答えることが目的です。
あくまでも、クライアントの「こうしたい」という要望に対して、ITシステムの導入提案と運用・管理がSIerの役割です。
業務内容
ITコンサルタントとSIerは、業務内容にも違いがあります。
ITコンサルタントは企業の課題を解決に導く役割のため、クライアントの問題を発見することが業務です。一方のSIerは、クライアントの要望に応じたシステム構築がメイン業務で、すでにクライアントが把握している課題を解決します。
それぞれの違いを把握しておきましょう。
ITコンサルの業務内容
ITコンサルティングは、クライアントの課題を洗い出すことから始めます。クライアントの経営課題を把握するために、経営者だけでなく現場へのヒアリングや経営資料の読み込みなど、さまざまな角度から分析が必要です。
企業の経営方針にもとづき、ITを利用した課題解決を請け負うため、経営戦略に関わる業務が最大の任務となります。クライアントの経営サポート業務のため、経営コンサルティングの要素が強い業務内容です。
SIerの業務内容
SIerの業務は、クライアントの要望に沿ったITシステムの構築と運用・保守です。
- 戦略の立案
- 要件の定義
- 設計・開発
- 運用・保守
上記の4段階に分かれており、全てを自社で行う場合と一部のみ行う場合があります。
システムの効果的な利用を支援するコンサルティング業務で、システムに特化している点がITコンサルタントとは大きく異なる点です。
クライアント企業をITシステムの面から支援するという点ではITコンサルタントと同じですが、エンジニアとしての要素が大きい特徴があります。
求められる人材
行う業務や目的が異なるため、ITコンサルタントとSIerでは求められる人材像も違います。
自分に向いているかチェックするためにも、それぞれの違いを整理しておきましょう。
ITコンサルで求められる人材
ITコンサルは、企業の課題に応じた課題に応じてプロジェクトを立ち上げ、スキルや経験にもとづきチームに人材を割り当てるのが一般的です。それぞれの得意分野を持った人材がプロジェクトメンバーとして選ばれます。
たとえば、次のような専門性のある人材です。
- IT戦略に詳しいコンサルタント
- 経営資源の最適化に詳しいコンサルタント
- 商品調達から販売戦略や顧客管理に詳しいコンサルタント
ITコンサルタントに向いている人材については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
関連記事:「ITコンサルタントに向いている人は?ハードワークと言われる理由も解説」
SIerで求められる人材
SIerは、システムの開発から運用までをそれぞれの分野において専門知識や技術を持った人材で分担して行います。
そのため、以下のような専門性があるエンジニアが必要です。
- ネットワークの設計や構築に詳しいエンジニア
- システムの設計や開発など、プログラミングスキルの高いエンジニア
- セキュリティに関する知識が豊富なエンジニア
- データベースの設計や構築・保守に詳しいエンジニア
SIerはシステム構築だけでなく運用や保守まで担当するため、高いエンジニアスキルを持った人材が適しています。
必要なスキル
ITコンサルタントとSIerは業務内容も異なるため、必要スキルが異なります。
ITコンサルタントは企業の課題解決が主な業務のため、ビジネススキルが必須です。一方、Sierhシステム開発と運用・保守が主な業務のため、技術面のスキルが要求されます。
それぞれに求められるスキルを見ていきましょう。
ITコンサルに必要なスキル
ITコンサルは企業の経営課題を把握し、改善案を経営者に提案するため多くのビジネススキルが求められます。
- 経営に関する知識
- 担当するクライアントの業界経験や知識
- ロジカルシンキング(論理的思考力)
- 課題解決能力
- コミュニケーション能力
- 情報収集力・分析能力
ITコンサルタントは、クライアントを納得させられるだけのスキルが必要です。
SIerに必要なスキル
SIerはシステムの開発や運用を手がけるため、プログアミングスキルや設計力、順応力などの技術的スキルが必須です。
- 要件定義力
- 設計力
- プログラミングスキル
- 最新技術などの情報収集力
- プロジェクトや進捗の管理能力
- 順応力
クライアントの要望を聞きながらシステム構築するため、コミュニケーション力も求められます。
キャリアパス
ITコンサルタントとSIerでは業務領域が異なるため、その後のキャリアパスが大きく異なります。どのような選択があるかをそれぞれに分けて解説するので、将来のビジョンを描く参考にしてください。
ITコンサルのキャリアパス
ITコンサルタントのキャリアパスは、所属企業内で上級職になることや、コンサルティング力を活かして、キャリアチェンジするなどの選択肢があります。経営や戦略などの知識があるため、IT分野以外の選択肢も豊富です。
代表的なキャリアパスを紹介します。
- 所属している企業で上位職を目指す
- 競合のコンサルティングファームにキャリアアップする
- ビジネスコンサルなどへキャリアチェンジする
- SIerのコンサル部門へ転職する
- フリーランスとして独立する
ITコンサルタントは、スキルや経験が高く評価されることが多く、キャリアパスは豊富でどの道に進んでも高待遇や高年収が見込めます。
SIerのキャリアパス
SIerのキャリアパスは、経験を積んで条件のよいSIerへの転職や社内SE、より専門的なスキルを習得できる企業への転職などがあります。
SIerのキャリアパスを見ていきましょう。
- 社内でプロジェクトマネージャーになる
- 今よりも条件の良いSIerへ転職する
- ITコンサルタントになる
- 企業の社内SEに転職する
- フリーランスエンジニアとして独立する
スタッフ教育やプロジェクト管理などの経験を積めば、マネジメントスキルが身に付くため、キャリアチェンジする場合でも強みになります。
収入(年収)
役職や企業規模によっても異なりますが、一般的にはITコンサルティングの方がSIerよりも年収が高い傾向にあります。
両者の違いを経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に案する実態調査結果」をもとに比較していきましょう。
ITコンサルの平均年収
ITコンサルタントの平均年収は928.5万円で、IT系の職種の中では最高水準です。
経済産業省が定めているIT関連サービスの提供に必要とされる能力指標では「レベル4」に定義されており、高度な技術が必要な職種に位置付けられています。
ITコンサルタントは企業のビジネス戦略をサポートする業務であり、結果が求められる職種であるため、報酬が高いことが一般的です。また、外資系のコンサルティングファームならさらに高い年収が得られます。
SIerの平均年収
SIerの年収は役職やスキルによって収入が大きく異なるのが特徴です。ソフトウェアの開発プログラマーやSEの平均年収は603.9万円ですが、プロジェクトマネージャーになると928.5万円と大きく差があります。
また、SIerは多重請負の構造になっているため、より発注元に近いSIer会社のほうが年収は高い傾向です。つまり、1次請け→2次請け→3次請けになっていくほど中間マージンが抜かれるため、企業の収益が少なくなります。
したがって、他のSIer会社へ転職する場合は、1次請けのSIerを選ぶと年収アップが期待でき流でしょう。
転職難易度
転職に関してもITコンサルタントとSIerでは難易度に違いがあります。結果から言うと、SIerは未経験からでも目指せますが、ITコンサルタントは未経験から目指すのは難しいでしょう。
その理由をそれぞれ解説します。
ITコンサルの転職難易度
ITコンサルタントは、IT知識と経営知識の両方に精通していなければ企業の問題解決ができません。
企業経営に関わる職種のため、高度な知識が要求されます。そのため、開発現場でITスキルを身につけた上でプロジェクトマネージャーとしての経験を積み、ITコンサルタントを目指すのが一般的です。
さまざまな知識が必要なため、いきなり未経験からの転職はむずかしいでしょう。
未経験からチャレンジする場合は、プログラマー→システムエンジニア→プロジェクトマネージャー→ITコンサルタントと段階的なステップアップが必要です。
SIerの転職難易度
SIerは技術職のため下流工程からにはなりますが、未経験からでも目指せます。
戦略の立案のようなクライアントとの交渉や、プロジェクトの管理をメイン業務にしたSIer会社もあります。そのような会社では、ビジネススキルや営業経験が強みとなるため、ITスキルに乏しくても活躍が可能です。
そこから経験を積み知識とスキルを身につけ、ステップアップしていくことで将来的にITコンサルタントへの道もあります。
SIerからITコンサルタントへ転職するには?
SIerとITコンサルタントは似ている部分も多く、SIerとしての経験が活かせる職種のため、SIerからITコンサルを目指す人は少なくありません。
ITコンサルタントへ転職すればSIerでは経験できないような大きなプロジェクに関わることも可能で、年収アップも期待できるできるでしょう。その分、成果が求められるため高いスキルや、何より高い意識が必要です。
以下にSIerからITコンサルタントへ転職する際のポイントを解説します。
- ITコンサルを目指す志望動機を明確にする
- SEとしての経験やスキルを伝えられるようにまとめる
- 資格やスキルを身につける
- 転職エージェントへ登録する
ITコンサルタントへの転職ハードルは決して低くありませんが、ポイントを押さえれば十分可能です。
ITコンサルを目指す志望動機を明確にする
まず、なぜITコンサルタントになりたいのかを明確にしましょう。
面接で必ず聞かれる項目でもあり、他にも志望者がいる場合は差別化できる部分でもあります。たとえば、「よりクライアントに近い立場で仕事をしたい」や「システムだけでなく、企業戦略全般に関わりたい」などの明確な動機が必要です。
あわせて、ITコンサルタントとして必要となる知識を学習中であるなど、熱意を伝えることも印象がよくなります。
採用担当者に響く志望動機の書き方を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:「志望動機の例文集!書き方のコツや思いつかないときの対処法も解説」
SEとしての経験やスキルを伝えられるようにまとめる
ITコンサルタント業務は、ITシステムを活用した問題解決の提案であるため、ITに関する技術的な知識を持ち合わせていることを面接官に伝えなければなりません。たとえば、プロジェクトの内容やどのような役割だったのかなど、詳しくまとめてアピールできるように準備しておきましょう。
また、ITコンサルタントはシステム以外の知識も必要となるため、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどもアピール材料になります。したがって、エンジニアとしての経験はもちろん、ITコンサルタントに必要なスキルがないかこれまでのキャリアを見直しましょう。
職務経歴書の書き方も重要なポイントです。SEの職務経歴書の書き方は以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
関連記事:「システムエンジニア(SE)の職務経歴書の書き方|フォーマットやポイントを解説」
資格やスキルを身につける
ITコンサルタントはさまざまなスキルが必要となるため、資格取得も転職に有利になります。
ITコンサルタントに資格は必須ではありません。しかし、資格はスキルの証明になるため、取得しておけばITコンサルタントとしての価値が高まり業務にも有効です。
詳細は、次項で紹介します。
転職エージェントへ登録する
ITコンサルタントは、依頼内容や業務の難易度で求められるスキルが異なります。そのため、自分の強みと企業が求める人材のマッチ度が重要です。自分では見極められない部分も多く、悩むことも少なくありません。
そのような時は、転職エージェントを利用して、自分のキャリアに応じた転職先を紹介してもらうのが一番の近道です。
志望企業にあったアピール方法や選考対策なども無料でアドバイスが受けられるので、転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。
ITコンサルタントへの転職に有利な資格
ITコンサルタントはIT知識や経験、ビジネススキルなど幅広い知識が求められます。ITコンサルタントを名乗るために資格は不要ですが、知識をアピールできるため転職に有利です。
最後に、ITコンサルタントへの転職に有利な資格を4つ紹介します。
- ITストラテジスト
- ITコーディネーター
- プロジェクトマネージャー
- 中小企業診断士
どれもレベルの高い資格ですが、有利になる資格ばかりですのでチェレンジしてみてください。
ITストラテジスト
IT技術を活用して企、業改革や最適化の戦略を策定できるスキル証明となる資格です。独立行政法人情報処理推進機構の国家資格で、高度情報処理技術者試験のひとつとなっています。
公認会計士や弁護士と同レベルの難易度で合格するのが難しい資格ですが、保有していればレベルの高いITコンサルタントである証明が可能です。
詳しくはこちら
ITコーディネーター
企業のIT化をサポートするIT専門家としてのスキル証明ができる資格で、経済産業省も取得を推奨している資格です。ITコーディネーター協会の民間資格ですが、ITコンサルタント業務との共通点が多く、ITストラテジストよりも合格しやすくなっています。
ITを活用してビジネス改革推進するプロフェッショナル人材としてのレベルの高さを証明できるため、ITコンサルタントは取得しておきたい資格です。
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プロジェクトマネージャー
プロジェクトを成功に導くためのさまざまな要求に対し、柔軟に対応できるスキル証明となる資格です。独立行政法人情報処理推進機構の国家資格で、こちらもITストラテジスト同様に高度情報処理技術者試験のひとつとなっています。
プロジェクトマネージャー資格は、プロジェクトの立ち上げや計画書の作成、作業管理などプロジェクトマネジメントに関する知識が問われる内容です。
そのため、取得すればプロジェクトリーダーへの抜擢など、有利になる可能性があります。
詳しくはこちら
中小企業診断士
中小企業診断士資格は、コンサルティング業に関わる人が目指す資格として有名な国家資格です。一般社団法人中小企業診断協会が実施しており、経営戦略や財務会計など、経営全般の知識を求められます。
保有していれば、経営課題に対し適切にアドバイスできる人材である証明はもちろん、有名な資格のため信頼性が高まるでしょう。
ITコンサルタントには経営面の知識も重要なスキルであるため、ITコンサルタントを目指すなら取得したい資格です。
詳しくはこちら
ITコンサルタントへの転職はシーカーズポートへ相談を
ITコンサルタントはSIerの知識が活かせる職種のため、エンジニアからのキャリアアップにおすすめです。SIerでプロジェクトリーダーやマネジメント経験が強みになるでしょう。
また、ITコンサルタントに有効な資格を取得すればさらに有利となります。ITコンサルタントへの転職は、自分の強みをアピールすることが重要です。そのためには転職エージェントの活用がおすすめです。
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